扱いやすいBIツールとは?導入前に知っておきたい4つの比較ポイント

2019/04/23
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近年、膨大なデータを収集・集計・分析して企業経営に役立てる動きが活発化しています。そんな中、取り扱うデータの多さから手動での集計作業に限界を感じている、という経営者や企業関係者の方もいるのではないでしょうか。データの集計やレポート作成などの煩雑な業務は、BIツールで処理したほうが効率的です。企業に蓄積されたデータを自動でレポートやグラフなどにまとめられるため、部署ごとに課題を洗い出しやすくなり、経営判断にも役立ちます。 そこで今回は、業務の効率化を図れるBIツールの4つの機能、BIツールを選ぶうえで目安となる比較ポイント、扱いやすいBIツールをご紹介します。

BIツールの主な4つの機能

BIとは、「Business Inteligence(ビジネスインテリジェンス)」の略。会社の売上や利益、顧客の情報など、企業に蓄積した様々なデータを集計・分析し、業務や経営の意思決定に活用する手法のことで、BIに活用するソフトウェアやシステムをBIツールといいます。
企業に蓄積されているデータは多種多様です。Excel、SFA(営業支援システム)、ERP(基幹システム)、CRM(顧客管理システム)など、様々なソフトウェアやシステムが活用されており、会社内で分散しているケースも珍しくありません。BIツールは、それらの情報を統合して可視化できるため、意思決定のスピードと精度が高まります。

BIツールは、主に以下の4つの機能を使用します。

レポーティング

BIツールのレポーティング機能は、データの可視化に特化した機能です。オフィスソフトやビジネスツールといったあらゆるシステム内のデータを自動で集計・分析してグラフ形式に出力する他、特定のデータを抽出してレポート化します。
さらに製品によっては、規定のテンプレート以外にも自由にレポートを編集・作成できるため、仮に上司から従来のものより見やすいプレゼン用のレポート作成を依頼されても、要望にあったレポートの作成が可能です。

ダッシュボード

ダッシュボードは、レポーティング機能で出力した複数の表やグラフデータの分析結果をさらに掘り下げて詳細な集計を行い、概要をまとめて一覧表示する機能です。
企業の状況を表などでリアルタイムに把握できる他、データによって業務上の問題や従業員の課題を可視化できるため、現状把握とそれに見合った対策の立案がしやすくなります。

OLAP(多次元分析)

OLAPは、(OnLine Analytical Processing:オンライン分析処理)の略。膨大なデータを多角的に分析して問題の要因を洗い出します。本来ならば時間のかかる高度な分析もスピーディーに処理でき、迅速な結果が得られるため、主に経営管理や市場の分析、財務諸表作成などの処理に活用されています。

シミュレーション

過去の実績データを分析し、導き出された論理から将来的な予測をシミュレーションする機能です。例えば予算を決定する際は、プランニング機能で分析を行い、計算して最適な数値を導き出してくれます。

BIツールは、専門的な知識がない方でも扱いやすいツールです。複数人でツールを活用できるため属人化が避けられる他、集計・分析などの結果をすぐに共有できるため、業務効率化を目指すことが可能です。

BIツールを比較する3つのポイント

BIツールと一言でいっても、メーカーによって搭載されている機能や特化している分野が異なります。自社に適したBIツールを見つけるには、機能性、導入規模、運用のしやすさの3つのポイントを比較するのが大切です。

必要な機能が揃っているか

BIツールは、社内での使用用途によって必要となる機能が異なります。そのため、導入前は使用目的の明確化や必要な機能の洗い出しが大切です。
BIツールは既存のデータを用いて集計・分析を行うため、社内で使われているシステムと連携する必要があります。例えばFacebookのデータを集計・分析し、ファンや閲覧者の統計、エンゲージメント率などをグラフにまとめたい場合は、当然Facebookと連携したBIツールでなくてはなりません。
このように、使用目的を明確化し、それに必要な機能を搭載しているかを比較・検討しましょう。

導入規模にあっているか

多くのBIツールは、ユーザー数に応じた課金方式を採用しています。また製品によってはユーザーアカウントの追加、データ容量増加、データ転送、データ表示テンプレートの追加なども課金対象に含まれることがあるため、事前に調べておくことが大切です。
複数の部署あるいは複数人が使用する場合、ユーザー数の追加やレポートのテンプレート追加が発生し、その分のコストがかかることが予想されます。そのため、部署ごとの利用人数を決定し、運用方法を確定したうえで導入の検討を行いましょう。

運用がしやすいか

BIツール選びにおいて、運用のしやすさは忘れてはいけない重要なポイントです。
製品によって操作方法は異なりますが、例えばExcelに近い操作が行えるものや、ドラッグ&ドロップによって手軽に操作できるものもあるので、専門的な知識や技術がない方でも問題なく使用できます。加えて、データの連携やグラフの修正といったメンテナンス作業も自社で行えるケースが多いため、コスト面でも運用しやすいといえます。

製品ごとの特徴を把握することはもちろん、実際の画面や機能を直接確認したうえで自社に適したBIツールを選びましょう。




扱いやすいBIツール3選

上述したポイントを考慮した製品を3つ、おすすめポイントとともにご紹介します。

Microsoft Power BI Pro

コスト

・1,177円(1ユーザー/月)
・契約期間12ヶ月

利用制限

・上限:10GB

性能

Microsoftが開発したBIツールです。
1時間ごとにデータが更新されるため、常に最新のデータが確認できます。Google AnalyticsやFacebookなど、50を超えるデータソースやアプリケーションと連携できる他、すでに作成されたダッシュボードを利用できるため便利です。さらに、Excelベースの仕様で扱いやすく、データ抽出やレポート作成、共有、データ加工をプログラム入力なしで使用できるのもポイントです。

Tableau

コスト

・51,000円(1ユーザー/年)
・契約期間1年

利用制限

・上限:100GB

性能

アメリカのTableau Software社が開発したBIツールです。
操作性に優れており、レポートや資料の作成がしやすいことに定評があります。基本的に操作はドラッグ&ドロップだけで行えます。また、データの集計や分析も高速処理が可能です。加えて、ファイルを指定するだけでデータを簡単に抽出できる他、デザイン性に優れたテンプレートが多数用意されているため、資料作成などに役立ちます。この他、PCだけでなくスマホやタブレット端末でも操作可能で、営業活動中でもデータを閲覧できることもポイントです。

Oracle BI クラウド

コスト

・9,000円(1ユーザー/月)
導入規模や機能の内容に応じて変動

利用制限

・導入規模や機能の内容によって変動

性能

日本オラクル株式会社が提供している、クラウド型のBIツールです。シンプルな操作性で扱いやすく、ExcelやCSV、Google Analyticsなどの様々なデータソースと連携できます。デバイスを問わない柔軟性が魅力。クラウドサービスのため出張や営業などの外回りの際にもデータを確認できる他、遠距離でも複数のユーザーとデータの共有が可能です。この他、部門ごとの業務内容に沿ってツールの仕様を変更できるのも、魅力のひとつといえます。

BIツールは導入目的に沿って比較しましょう

いくら高性能なBIツールを導入しても、実務で活用できなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。自社に適したツールを選ぶためにも、上記でご紹介した4つのポイントを留意し、使用目的を明確にしたうえでツールを選びましょう。さらに、製品によって機能はもちろん、価格や利用制限なども異なるため、それぞれの特徴を比較・検討することが大切です。

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