文章作成ツールは賢く選ぼう!Google ドキュメントとOfficeの違い

2019/05/28
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文章作成や情報共有に、Google ドキュメントとWordを併用している企業は少なくありません。しかし中には、「Wordを使うならOffice Onlineに乗り換えたほうがいいのか」「Google ドキュメントとOffice Onlineの違いが分からない」という方もいるかもしれません。 そこで今回は、Googleドキュメントの特徴、WordやOffice Onlineとの違い、パッケージ版のWordとOffice365の違いをご紹介します。業務環境を良くしたい、Office系ツールの導入・変更を検討しているという方はご一読ください。

1.Google ドキュメントとは

Google ドキュメントは、Googleが提供する文章作成ツールです。ブラウザ上で利用でき、作成したデータはクラウド上のGoogle ドライブに保存されます。Google アカウントさえ持っていれば誰でも無料で利用でき、Google アカウント自体の作成も無料です。

WordファイルやPDFファイルなどのさまざまなファイル形式に対応しており、Google ドキュメント上での作業後は「.docx」「.pdf」「.odt」「.rtf」「.txt」「.html」などのファイル形式で書き出せます。またドキュメントの変更履歴を無制限に記録でき、必要であれば復元できるため、操作ミスがあっても重要なデータを失う心配がありません。

さらにPCだけでなく、iPhoneやiPad、Android端末からでもドキュメントの作成・編集・共有が可能です。PC版またはMac版のChromeを使用すればオフラインでも作業ができるため、出先でインターネットが使えないという場合でも効率よく業務が行えます。

2.Google ドキュメントとWordとの違い

Google ドキュメントとWordは同じような機能を持っていますが、いくつかの相違点もあります。以下では共同編集、価格、保全性を例にあげて、双方の違いをご紹介します。

共同編集

Google ドキュメントはクラウド上(インターネット環境)で作業をするため、複数人による同時編集が可能です。ドキュメントごとに閲覧や編集の権限を設定でき、共同で作業を行う人へリンクを通知するだけで、簡単にファイルの共有・編集が行えます。1つのドキュメントを同時に閲覧・編集している場合は、誰がオンラインなのかをドキュメント上で確認でき、別の人の編集内容をリアルタイムで見ることも可能です。

一方Wordは、個人のPC上(ローカル環境)で編集作業を行うため、共同で閲覧・編集はできません。ファイルを共有するにはUSBメモリやHDDを使用したり、メールやチャットで送ったり、クラウドストレージに保存したりなどの作業が必要になります。

価格

Google ドキュメントは、基本的に無料です。
一方Wordは、Officeのパッケージ版を購入してライセンスを得るか、Office 365を契約するサブスクリプション方式のどちらかから選びます。前者は一括で支払いを行い、後者は継続的に契約するため月額もしくは年額で料金を支払います。

保全性

Google ドキュメントはPC上ではなく、Googleのサーバー上にファイルが保存されるため、仮にPCが故障してもファイルが破損することはありません。
一方Wordは、基本的にPC上にファイルを保存します。PCの故障によってファイルが破損する可能性があるため、別のHDDやオンラインストレージにバックアップを取る、または保存先をオンラインストレージに変更するなどの対策が必要です。

3.Google ドキュメントとOffice Onlineの違い

Google ドキュメントと同じく、ブラウザ上で使用できるツールに「Office Online」があります。Microsoftが提供している無料のOfficeアプリで、Microsoft アカウントでログインすることでWordやExcel、PowerPoint、OneNoteなどをブラウザ上で利用できます。複数人での共同編集にも対応可能です。
以下では、Google ドキュメントとOffice Onlineの違いを、「Wordとの互換性」「保存容量」の2点からご紹介します。

Wordとの互換性

Google ドキュメントとWordは互換性があり、WordファイルをGoogle ドキュメントに変換することも、Google ドキュメントをWordファイルに変換することも可能です。ただし、両者の互換性は完璧ではなく、文章のレイアウトによっては一部が崩れることがあります。
例えば、WordのテキストボックスをGoogleドキュメントに変換した際、フォントが変更されたり文字の表示位置がずれたり、サイドバーのタイトルが消失したりといった問題が確認されています。

一方、Office OnlineはMicrosoft製品との互換性が高く、文章のレイアウトが崩れたりファイルが開かなくなったりというリスクが低くなります。

保存容量

Google ドキュメントは、Google ドライブというクラウドストレージが利用でき、15GBまでは無料です。しかし、この容量は、GmailやGoogleフォトなど、Googleアカウントを利用する他のサービスも含めた容量なので、Google ドキュメント以外にもサービスを利用している人は注意が必要です。15GB以上利用したい場合は、有料版の「G Suite」を契約しましょう。

一方、Office Onlineでファイルを保存する場合は、Microsoftが提供しているOneDriveというクラウドストレージを利用します。5GBまでは無料で利用でき、容量が足りないときは有料版を利用すれば50GBまたは1TBまで増やせます。
なお、Office OnlineとOneDrive は単体でも利用できますが、Office 365を契約すれば一度の契約でどちらも使用可能です。50GBと1TBのOneDriveも Office 365に付属しているため、「これからOffice系のツールを揃える」という方におすすめです。

4.パッケージ版のWordとOffice 365の違い

Wordをローカルで使用したいなら、買い切り型のパッケージ版か、サブスクリプション契約のOffice 365から選択しましょう。以下、「ライセンス」と「サポート」の2つの視点からそれぞれの特徴をご紹介します。

ライセンス

パッケージ版は、一回限りの買い切り型です。ライセンスは永年継続で、コストも購入費用のみです。PCであれば、最大2台までインストールできます。

一方Office 365は、月額または年額で料金を支払えば継続的に利用できるサブスクリプション型です。1ライセンスで複数のデバイスにインストールでき、PC、タブレット、スマートフォンは各5台まで利用できます。ライセンスの削除も可能です。

サポート

パッケージ版はライセンスが切れることはありませんが、サポートが終了することがあります。延長でサポートを受けられますが、期限が設けられているため、仮にサポートが終了したものを使い続けるとセキュリティが脆弱になったり、他ツールとの連携ができなくなったりとさまざまなトラブルが発生します。加えて、最新のOfficeを使うには新たにパッケージ版を購入する必要があります。

一方、Office 365は継続的に支払いが発生しますが、追加費用なしで最新版のOfficeにアップグレードできるため、常に最新の機能が利用できます。この他、セキュリティアップデートを受けられるなどのメリットがあります。

文章作成において、パッケージ版のWordもサブスクリプション型のOffice 365も、どちらも全く同じ機能を使えます。もちろんそれぞれにメリット・デメリットはあるため、業務内容や企業規模を考慮した上で適切なツールを選びましょう。




自社に適した文章作成ツールを選ぼう

Google ドキュメントは、ブラウザ上で共同閲覧・編集ができるため、業務効率アップにつながります。他にもドキュメント上でインターネット検索ができたり、音声による文字入力ができたり、原稿を直接WordPressにアップできたりと、汎用性の高いツールなので、編集者やライターなどのように文章を作成する機会の多い方におすすめです。
さらに、Office OnlineやOffice365も、Wordを含むMicrosoft製品との互換性に優れている点からおすすめです。特にOffice365は、Office系ツール以外にもさまざまなサービスが付属されており、メールやスケジュール、連絡先の管理がしやすくなる他、オンライン会議などにも重宝するため、ビジネスパーソンには欠かせないツールといえるでしょう。

このように文章作成ツールを選ぶ際は、使い勝手の良さはもちろん、業務効率アップにつながる機能があるかどうかを確認することが重要です。導入することでどれくらい作業がしやすくなるか、既存ツールとの相性はどうかなどを判断し、自社に適したものを選びましょう。

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