オンラインストレージとは|知っておきたい仕組みと便利な使い方

2019/03/26
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活用の幅が広がりつつある「オンラインストレージ」。その概要や特徴について、どの程度ご存じでしょうか?企業でもオンラインストレージを導入するケースが増えていますが、サービス内容をいまいち把握できず、「どれを選んだらよいかわからない」と困っている担当者は少なくないはず。そこで今回は、オンラインストレージの概要をはじめ、ビジネスで活用するメリット・デメリット、活用方法、選び方についてご紹介します。

オンラインストレージとは?クラウドサービスとの違いを解説

オンラインストレージと聞くと、「クラウド」という言葉が頭に浮かぶ方もいるのではないでしょうか。以下では、混同して使われがちな両者の違いについてご紹介します。

オンラインストレージとは

オンラインストレージはインターネットを経由したサービスで、オンライン上でデータを保存・共有できます。パソコンやスマートフォンなどの端末に保存していたデータをオンライン上に移行させて、端末の空き容量を確保できるだけでなく、データをバックアップする際に役立てることもできます。中には法人向けのプランを有するオンラインストレージもあり、これなら企業間で大容量のデータを共有し合うことが可能です。

オンラインストレージには無料プランと有料プランがあり、前者には「MEGA」や「Google Drive」などがあります。後者には「Dropbox」や「Onedrive」などがあり、課金額に応じて利用できる容量や機能に違いがあります。なお、有料プランとして紹介した2つのオンラインストレージには、無料プランもあります。

クラウドサービスとの違い

クラウドサービスは、インターネットを経由して利用できるサービスのこと。以前までは、ハードウェアやソフトウェアを購入しなければデータを保存・共有したり、開発環境を整えたりするサービスを利用することはできませんでした。しかしクラウドサービスの登場により、ハードウェアやソフトウェアを購入せずとも利用できるサービスが多数誕生しました。オンラインストレージは、そんなクラウドによって提供されているサービスのひとつ。つまり、クラウドは特定のサービスを指しているのではなく、オンラインストレージをはじめとするサービスの総称を指す言葉なのです。

要チェック!オンラインストレージのメリット・デメリット

オンラインストレージを上手に活用するためには、メリットとデメリットについて理解しておくことが大切です。

メリット

1.オンラインストレージにデータを移行することで、端末の空き容量を確保できる
2.同じファイルを複数人で共有できるため、共同作業がスムーズに行える
3.インターネットに接続できる環境下なら、端末はもちろん、場所も選ばずにデータを確認できる
4.オンラインストレージにデータを保存することで、パソコンの書き込みや読み込みの作業を削減できるため、パソコンそのものの負担が軽減される
5.データのバックアップが自動的に行われるため、復元ができなくなるリスクを削減できる
6.サーバーを購入する場合に比べて初期費用や維持費が安いため、低コストで導入できる
7.オンラインストレージの多くは月額制を採用しているため、月ごとのコストを可視化しやすい
8.導入における迅速性に優れているため、大企業はもちろん、個人で運営している小企業も運用しやすい

デメリット

1.セキュリティ体制の内容によっては、オンラインストレージのログインに必要なパスワードやIDが第三者に渡り、情報漏洩を引き起こす恐れがある
2.インターネットに接続できる環境下でないと利用できない
3.システムやアプリケーションなどのサービス内容がパッケージ化されているため、個々のニーズに合わせたカスタマイズができない
4.サーバーそのものが災害などの被害を受けると、データが復旧できない可能性がある

押さえておこう!オンラインストレージの活用方法

では、オンラインストレージはどのように活用すればよいのでしょうか。以下でおすすめの活用方法を3つご紹介します。

管理機能を使用する

オンラインストレージの魅力のひとつに「管理機能の充実」があります。これは、オンラインストレージにアクセスできるゲストIDとパスワードを発行する機能のこと。発行したゲストIDとパスワードを取引先に共有すれば、取引先の担当者が自社で契約しているオンラインストレージにアクセスできるようになるため、データの共有がよりスムーズに行えるようになります。ゲストIDごとにアクセスできるデータを制限したり、「ダウンロードのみ」などの権限を決めたりすることもできるので、情報漏洩のリスクは低くなっています。なお、ひとつのオンラインストレージで大量のゲストIDとパスワードを発行できるため、取引先ごとにデータを保管・共有することが可能です。

請求書データを管理する

管理機能の活用方法のひとつに、「請求書データを取引先と管理する」というものがあります。これは今後も取引をする予定がある企業に対して有効で、オンラインストレージ上に請求書データを保存することで、両者とも必要なときに確認できます。自動ダウンロード(アップロード)機能を設定すれば、電話で請求書の作成を依頼したり、メールや郵便で請求書を送ったりする手間を省くことも可能です。

ペーパーレス会議を実現させる

管理機能を使用していた場合、会議資料をオンラインストレージに保存すれば、取引先にいつでも確認してもらうことができます。自社においても、出張で現場にいない社員に対してリアルタイムで会議資料を確認してもらうことが可能です。この他、会議資料を印刷する手間がなくなるのでペーパーレス会議となり、これはコストの削減につながります。

どこに注目すべき?オンラインストレージの選び方

オンラインストレージを選ぶ際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

ビジネスプランの有無

オンラインストレージの種類によっては、ビジネスで利用することをメインとした「ビジネスプラン」や「法人向けサービス」を提供しているものもあります。そのため、オンラインストレージをビジネスで利用する場合は、これらのプランやサービスがあるかどうかを確認することが大切です。なお、ビジネスプランには閲覧制限やファイル復元、ユーザーの権限設定などの機能が備わっていることが多く、どれも大切なデータを管理したり、複数名でファイルを共有したりする際に役立ちます。

データ容量の確認

オンラインストレージの容量は、無料か有料かで大きく異なります。無料プランの場合は一般的に5GB~15GBであることが多く、有料プランの場合は50GB~1TB、10TB、20TBとメーカーによってさまざま。そのため、オンラインストレージを選ぶ際は「どのような目的で利用するのか」という点を明確にすることが大切です。例えば、請求書や見積書など書類データの保存をメインで行う場合は、50 GB~300GBで問題ありません。

セキュリティ機能の確認

オンラインストレージを利用するにあたって、情報漏洩を防ぐためにはセキュリティ面を強化する必要があります。そのため、「セキュリティ機能が備わっているかどうか」も考慮してオンラインストレージを選ぶことが大切です。特に、ウイルスに感染する危険性がないかどうかを確認できる「ウイルスチェック機能」と、データが第三者に漏れるリスクを避ける「SSL 暗号化通信」の2つはあると便利です。

オンラインストレージで大切なデータの管理をスムーズに

オンラインストレージとクラウドの違いから、ビジネスで活用するメリット・デメリット、活用方法、選び方についてご紹介しました。自社にとって最適なオンラインストレージを選ぶためには、まず扱っているデータの種類や必要な容量を明確にしましょう。そして実際にオンラインストレージを導入した後は、利用事例を参考にすることで活用方法をイメージしやすくなります。
大切なデータの保存・共有をスムーズに行い、より円滑に業務を進めていくためにも、ぜひこの機会にオンラインストレージの活用を検討してみてください。

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