今さら聞けないSaaSとは?ASPとの違いや導入のメリットをチェック

2018/11/27
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近年、企業ではメールやデータ管理、社内外でのコミュニケーションツールとして、クラウドサービスのひとつであるSaaS(サース)の導入化が進んでいます。そこで、既存のパッケージソフトから、SaaSアプリケーションへのシフトを検討している方のために、SaaSの基礎知識を解説します。SaaSとクラウド、そして混同されるASPとの違いや、導入のメリットや活用方法をチェックしていきましょう。

SaaSについて

SaaSを導入したいと検討している方のために、まずは、SaaSの概要や特徴について解説します。

SaaSとは?

SaaSとは「Software as a Service」の略であり、サービスとしてのソフトウェアという意味で使われています。以前までアプリケーションはパッケージソフトとして販売されており、PCに直接インストールを行って必要な機能を使用していました。それが変化し、インターネットを経てクラウドサービスとしてアプリケーションが提供されている形態をSaaSといいます。

クラウドとの違い

SaaSを説明する上で必ず出てくるのが「クラウド」という単語で、これは「クラウドコンピューティング」の略として使われます。英語の「Cloud(雲)」が由来で、世界を自由に往来できるインターネット上を指した表現です。クラウドサービスは「インターネットを介して利用できるアプリケーション」という定義で、実はSaaSとの違いが曖昧です。一般的には「SaaSはクラウドサービスの一種」と捉えられています。

SaaSの特徴について

SaaSはインターネットに接続できる環境下なら、いろいろな端末からサービスが利用できます。職場内で使用しているPCや、手持ちのタブレットやスマホからでもログインして利用することができ、データはクラウド上に保存されますので、いろいろな端末を使うことができるのです。また、データを複数の人と共有し編集することができます。
SaaSはソフトウェアの機能の中から、必要とする機能が入っているプランを選んで利用でき、それに応じた利用金額を支払います。そのため、従来のパッケージウェアのように「せっかくインストールしたのに、ほとんど使わない」という無駄がなくなるでしょう

ASPやその他のクラウドサービスとの違い

SaaSには関連した言葉が多く、その中でもよく「APS」とは一体何が違うのか?という疑問を持つ方がいます。他にも、同じクラウドサービスとして「PaaS」や「IaaS」があるため、ここではSaaSとの違いを解説します。

ASPとの違い

ASPは「Application Service Provider」の略で、クラウドを介してサービスを提供している事業者など、提供者側を指しています。現在普及しているオンラインサービスの前身的なものですが、SaaSがクラウドサービスの一種であるのに対し、ASPはサービスを提供する側やビジネスモデルを意味します。

その他のクラウドサービスとの違い

PaaS(パース)は「Platform as a Service」の略で、データセンターなどに開放されたプラットフォームを利用して、自らソフトウェアの開発が行えます。IaaS(イァース)…「Infrastructure as a Service」の略で、ユーザーがハードウェアのスペックを選び、ネットを介して利用できるサービスを指しています。
両者は基本的にアプリケーションを開発するエンジニア向けのサービスであるため、小規模の企業で使用する場合など、一般的にはSaaSが浸透しつつあります。

SaaSを導入するメリット

SaaSや関連する言葉の概念について解説してきましたが、ではSaaSを導入することで得られるメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

導入までの期間短縮・コスト削減

インターネットの使用環境さえ整っていれば、ソフトフェアのサービスが利用できます。システム構築や設備の準備をする必要もなく、すぐにサービスの利用開始が可能です。また、ライセンス料を支払うことで導入できるため、初期費用が抑えられます。

常に最新の状態で利用できる

サービスを利用している顧客からのフィードバックを元に、より使いやすいよう機能面などを改善し、ソフトウェアの提供事業者側がアップデートを行います。メンテナンスやアップデートの手間が省け、常に最新の機能が利用できます。

共同作業の効率アップ

SaaSの場合、クラウド上にデータが保存でき、手持ちのデータを複数名と共有・編集が行えます。そのため、わざわざ画像データや作成資料をメールにてやり取りする手間が省けます。データの確認や編集も瞬時に行えるため、作業効率を高めるのに効果的です。

SaaSを活用しよう

企業内でSaaSの導入を検討するにあたって、参考となる活用方法を知るとイメージがつきやすいでしょう。そこで、SaaSアプリケーションを活用するシーンに応じて、種類や特徴などを解説します。

SaaSアプリケーションの種類と活用方法

グループウェアでコミュニケーションをスムーズに

複数人で業務を進めていく上で、非常に便利なツールが1つに集約されています。使用するソフトウェアやサービスによって詳細は異なりますが、主な機能としてスケジュール管理・掲示板・電子メール・ファイル共有などが備わっています。リアルタイムでメンバー同士の行動を把握できるため、仕事を効率よく進めていけます。

オンラインストレージでファイルを保存

クラウド上にファイルを保存することが可能で、容量などの関係でデバイス本体には保存できないファイルを移行してバックアップがきます。目的に応じたプランを選び、ストレージの容量を自由に増やせます。

チャットツールでリアルタイムに繋がる

社内外の必要な連絡をスムーズにできるこのツールは、従来はEメールで行っていたやり取りに変わって活用されています。送信したメッセージの編集ができ、迷惑メールを受信する心配もありません。
また、別の場所にいる複数人とリアルタイムで繋がり、通話やビデオを通じてのweb会議が行えます。

セキュリティ対策を行う

使用しているPCなど端末のセキュリティ機能を向上させるため、メールセキュリティ機能ではスパムメールや不正プログラムなど侵入をブロックします。また、保有している大切な個人情報や機密情報などの漏えい対策も行えます。

企業にとって必要なサービスを明確にする

SaaSの特徴やメリットについてお伝えしましたが、クラウドを介して提供されているSaaSアプリケーションには様々な種類があります。特にグループウェアは、業務上のコミュニケーションを円滑にし、仕事の効率化が図れる機能が多く備わっています。また、オンラインストレージやチャットツールのように、特定の機能に特化したアプリケーションを選ぶこともできます。
SaaSを導入するなら、まずは「どのような機能を求めているのか」「業務上効率化したいのは何か」を明確にしましょう。企業にとって必要なものを把握することで、必要なアプリケーションを便利に使いこなすことができます。商品によってはトライアル期間を設けているものもありますので、ぜひ、ご検討ください。

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